【医師が解説】心電図測定機能付きスマートウォッチは不整脈・心筋梗塞など判別できるのか?について解説

本記事では最近のApple watchに付いている機能である心電図測定機能について医師である筆者が解説します。

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監修医師:運営者 AK

20代医師、救急・麻酔など全身管理を専攻している。複数サイト運営歴6年以上のライターであり、健康、旅行、節約に関する知識を活かし、読者に役立つ情報を提供しています。

目次

Apple watchでの心電図測定

まず、心電図測定機能はApple watch series 4以降に搭載されているようで、それ以前には心拍のリズムを見る機能のみだったようです。

実際に、救急当直をしていた際に、以前のApple watchで心拍の不正(心房細動)が検出されたとのことで救急外来に来られた方もいました。実際には心房細動は緊急の処置が必要となる場合はそう多くなく、その方も発作が起きた時用の内服薬を渡して循環器内科クリニックへ行ってもらう方針としました。

Apple watchでは上記の写真のように指を横のボタンに置くことによって微弱な電気で心電図を取るようです。

そして結果は以下に分類されるようです。

洞調律

心臓が50~100 BPMの一定パターンで拍動している状態です。心房と心室の拍動が揃っている場合に表示されますが、健康であることを示すわけではありません。

心房細動

心臓が不規則に拍動している状態で、典型的な不整脈の一種です。初めてこの結果が出た場合は、医師に相談することをおすすめします。心電図アプリのバージョンにより、心房細動のチェック可能な範囲は異なります。

高心拍数または低心拍数

50 BPMを下回る低心拍数や、バージョン1で120 BPM、バージョン2で150 BPMを上回る高心拍数が出た場合は、心房細動チェックの精度に影響があります。運動やストレス、薬の影響などが原因となることがあります。

判定不能

心電図が結果を分類できない場合です。心拍数やペースメーカーの使用、記録時の姿勢などが影響する可能性があります。良好な記録を得るためには、腕を安定させたり、Apple Watchをしっかり装着することが重要です。

一般的な心電図との違い

一般的な心電図については、受けた方はわかると思いますが、心臓付近と四肢に複数のシールを張って測定します。

なぜたくさんのシールを貼るかというと、心臓の色々な側面について測定するためです。

例えば、心筋梗塞に関しても、心臓の下の血管が詰まっている場合、心臓の後ろ側だけが詰まっている場合、など色々なパターンがあります。

そして、成人の突然死などにもつながる不整脈に関しても、検出することが可能になります。

一方、Apple watchでの心電図測定の場合、心臓の1つの側面しか測定していないことになります。

メリットとデメリット

Apple watchで測定した心電図は、医療用と比較すると劣ってしまう部分があります。

しかし、メリットとしても多くあります。

メリット

・脳梗塞などに繋がる恐れがある心房細動を検出できる。

・徐脈、頻脈の判定は可能であるため、発作が起きた時にはすぐ気付くことができる。

デメリットも、一応少し上げてみます。

デメリット

・医療用とは異なるため精度は劣ってしまう。

・一般的な心電図では測定可能な、心筋梗塞などの重篤な異常は検出できないことも多い。

個人の認識としてApple watchはあくまで簡単な発作のみを検出できるものであり、本当に胸痛などがあった場合にはすぐに医療機関を受診するといった認識を持っていれば、デメリットとはなることはありません。

まとめ

Apple watchでの心電図測定は医療用の心電図の一部分を切り取った役割であると考えられます。

ただそれでも心房細動などの重篤な病気に繋がりやすいものを発見したり、頻脈発作などが起こっている場合の検出など多くの良い点があります。

利用者の認識として、「これがあれば安心!」といった認識を持たずに、胸痛などがあった場合にはすぐに病院を受診するといった認識を持つことが大事です。

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