こんにち。専攻医のAKです。
私は頻繁に海外旅行に行くので、たくさん飛行機に乗りますが、今回日本-ロサンゼルス便で人生2回目のドクターコールに会いました。
その時の体験談を書いていこうと思います。
ちなみに1回目は特急電車の中、医師になって数日というか、もはや医師?という立場での出来事でした。
寝ている時に・・・
その便はロサンゼルスを出発して日本へ向かっている外資系の航空会社でした。
私はエコノミークラスに載っていました。ちょうどギャレーやトイレの前あたりの席に座っていました。
短期間でのアメリカ往復であったため時差ボケなどもあり、飛行機の中でぐっすり寝ていました。
出発して大体5時間くらい経った頃に・・・
「〜〜〜(英語)doctor〜〜〜、機内にお医者様か看護師の方はいらっしゃいませんですか?いた場合には声をかけてください。」みたいなことを言っていました。
寝ていたのですが、「doctor、医者」という言葉に反応して起きました。
そして後ろの方でザワザワしています。
ドクターコールに応じるべきか?
ドクターコールには応じるな、という医師もいます。確かに私みたいな研修医上がりの3年目のペーペーの医者にできることはかなり限られているので行くこともリスクだと思います。
ですが、なんとなく気になって、ちょうどCAの人が通った時に
「医者なんですけど・・・」みたいなことを言いました。
が・・・華麗にスルーされました笑笑・・・(CAの人もバタバタしてたので聞こえなかったのか、見た目ただの20代半ばの若者なので無視したのか)
まぁいいや、と思っていると、前の方(カーテンの先、つまりビジネスクラス)から日本人男性2人が後ろに歩いてきました。
その後、ギャレーに近くCAさんがたくさん集まってきたタイミングで再度
自身なさげに「一応、医者ですけど、大丈夫そうですか?」
って言ったら
「今3人のドクターが集まりましたけど、力が欲しいので来てください!」みたいなことを言われたので、場所へついて行くと大柄の外国人男性がちょうど席から運ばれてくる所でした。
そして
CA「先生!毛布引くの手伝ってください!」って言われたので、言われた通り毛布を引くのを手伝いました。
そして大柄な男性が横たわらせました。
なんとなく意識が朦朧としている感じがありました。頭の方では日本人男性医師2人が、「酸素は?サチュレーションは?」みたいなことを慌ただしく指示しています。
一応私も橈骨動脈触れてみたり、末梢循環(=CRT)も確認してみましたが、特に問題はなさそうでした。
結局SpO2は十分保たれていて、だんだんと本人の意識が回復してきました。
そこでもう1人の東南アジア系の女性医師が流暢な英語で「てんかんとか糖尿病はありませんか?」など問診していくと、てんかん持ちであることが判明。
バッグの中からは抗てんかん薬が出てきました。
取り敢えず、原因が判明したので、手持ちの抗てんかん薬を飲ませて、休ませる方針となりました。
実質私がしたことは毛布敷きだけでした笑。
他にも数人の人(看護師?)が集まっていたのですが、そこにいた人たちが皆、見た目4.50代以上だったので私の小物感が出て若干気まずかったです。
そして、2回目の急病人が出るも・・・
そして、席に戻りまた寝ていると数時間後に、また後ろが騒がしくなります。
ギャレーの前だったので、後ろを振り返るとまた人が寝かせられています。
そしてさっきの男性医師たちがいました。・・・
自分の心:「あれ、俺呼ばれてない。」
そうです。今回はドクターコールがなく、直接その医師を呼びに行ったと思われますが、私は呼ばれませんでした!笑
まあ経験豊富そうな医師3人もいれば私はお役御免なのです。
若干、変な気持ちになりましたが、まあいいやと思いそのまま寝ました。
飛行機を出る時
一応、毛布敷くことしかしてない私ですが、CAさんが「お手伝いいただありがとうございました。」と挨拶をしてくれました。
そして飛行機を出る時に、前の入り口はビジネスクラス、後ろの入り口はエコノミークラスで、最後に合流するのですが、外国人女性が前の入口から出てきました。
結局私以外、その場の医師はみんなビジネスクラスに乗っていたようです。
現場といい席といい、なんか格の違いを見せつけられたフライトでした。
まとめ
今回ドクターコールを受けた際の体験談を書きました。
実際に調べてみると、JALの場合以下のように結構な医療機器が揃っています。
カテコラミン系、循環作動薬、挿管セットなど本格的なものばかりです。
私はまだまだ経験少ないので全ては使いこなせませんが、麻酔科医としての経験を積んだ後だったらかなり使いこなせるものばかりだなーとも感じました。
とはいえ、限られた医療資源の場合、診断精度が落ちるので、曖昧な診断のまま、これらの薬剤などを使うことはリスクにもなります。
麻酔をかける際には十分な既往歴、血液検査などをみた上で、上記の薬を使います。
そんな中、患者情報もないままで、禁忌を犯してしまう可能性もかなりあるので、ドクターコールに応じるのはやはり色々な意見があるだろうなーーと思いました。
以上です!
本日もご覧いただきありがとうございました!
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