こんにちは。研修医アッキーです。
私はChatGPTに関する本・雑誌を十冊以上読んで、かなり日常で使っております。
そんな私が本日は症例レポートをChatGPTを用いて高速で終わらせる方法を書きます。
ここでは症例レポートの中でも考察に関して、述べます。
その他にも多く使い方がありますが、結構細々としたテクニックになるのでここでは省略します。
大前提として、個人情報は入力してはいけない。
まず、インターネットに繋がっている環境下で個人情報を送信すること自体にもリスクはあるので、大前提として患者自身の個人情報は入力しないようにしましょう。
ChatGPTで考察をすぐに書き上げる方法
考察を高速で書き上げる方法
症例レポートの考察部分を高速で書き上げる方法について、いくつかのステップを示しつつ、実際にやってみます。
①症例に関連する情報を集める。
→これに関しては自分でインターネットや参考資料を見つけてください。
紙媒体の物で、テキストをコピーしたい場合には、iPhoneであればカメラアプリのOCR機能を使いましょう。
→かなり便利です。カメラでテキストを写すと黄色に囲まれます。右下のテキストボタンを押すとOCR完了です。
②その情報をChatGPT上に箇条書きに入力する。
今回は具体例として、実在しない疾患ですがシムネス(Systemic multiple malignant neoplastic syndrome:全身性多発性悪性新生物症候群)という疾患についての考察を書くとします。
以下、情報(架空です。)
- 発症機序: シムネスは、遺伝子の異常変異により引き起こされる。特定の環境要因が変異を促進し、疾患を発症させる。
- 症状: 患者は、全身に多発する悪性腫瘍を特徴とし、それに伴う倦怠感、体重減少、発熱などの症状が見られる。
- 診断: 診断は、血液検査、イメージング検査(CTやMRI)、および複数の腫瘍の生検を通じて行われる。
- 罹患率: この疾患は非常に稀で、全人口の0.01%未満に影響する。
- 治療法: 治療法は未確立であり、主に対症療法と実験的な免疫療法が試みられる。
- 遺伝性: シムネスは遺伝性の要素があり、特定の家族で発症する可能性が高い。
- 予後: 予後は一般的に不良で、多くの患者が診断後数年以内に死亡する。
- 疫学: この疾患は世界中で報告されているが、特定の地域や人口集団での発生が多い。
- 研究状況: 世界中の研究機関が原因と治療法の研究に力を入れているが、まだ決定的な結果は出ていない。
- 社会的影響: シムネスは公衆衛生上の問題となっており、研究資金や患者支援プログラムの必要性が高まっている。
ちなみにこの設定もChatGPTで作成しました。
③依頼文を書き送信する。
送信すると、この設定の疾患に対して症例レポートの考察が作られます。
入力文
発症機序: シムネスは、遺伝子の異常変異により引き起こされる。特定の環境要因が変異を促進し、疾患を発症させる。
症状: 患者は、全身に多発する悪性腫瘍を特徴とし、それに伴う倦怠感、体重減少、発熱などの症状が見られる。
診断: 診断は、血液検査、イメージング検査(CTやMRI)、および複数の腫瘍の生検を通じて行われる。
罹患率: この疾患は非常に稀で、全人口の0.01%未満に影響する。
治療法: 治療法は未確立であり、主に対症療法と実験的な免疫療法が試みられる。
遺伝性: シムネスは遺伝性の要素があり、特定の家族で発症する可能性が高い。
予後: 予後は一般的に不良で、多くの患者が診断後数年以内に死亡する。
疫学: この疾患は世界中で報告されているが、特定の地域や人口集団での発生が多い。
研究状況: 世界中の研究機関が原因と治療法の研究に力を入れているが、まだ決定的な結果は出ていない。
社会的影響: シムネスは公衆衛生上の問題となっており、研究資金や患者支援プログラムの必要性が高まっている。
上記は、シムネス(Systemic Multiple Malignant Neoplastic Syndrome:全身性多発性悪性新生物症候群)に関する医学情報です。 この疾患に関する考察を500文字程度で作成して
あなたは医師という設定です。
ChatGPTには役割を与える必要があります。今回はあなたは医師です。という設定を与えます。
そうしないと一般人レベルで書けば良いのか、医学生レベルで書けばいいのかによって解答が変わってきます。
出力文
シムネス(全身性多発性悪性新生物症候群)は、現代医学においてもなお解明されていない複雑な疾患である。遺伝子の異常変異が原因であることが知られているが、特定の環境要因がこれらの変異をどのように促進するのかについては、さらなる研究が必要とされている。
罹患率が非常に低いため、疾患の研究と患者ケアには困難が伴いますが、これは医学界において重要な挑戦です。
患者が経験する全身にわたる多発性悪性腫瘍は、その治療と管理を複雑にします。現時点での治療法は、対症療法と実験的な免疫療法に限られており、これらはあくまで症状の緩和や生存期間の延長を目指すものです。残念ながら、多くの患者が診断後数年以内に亡くなるという厳しい現実があります。
遺伝性の要素があることから、特定の家族歴を持つ患者に対しては、予防的なスクリーニングや早期発見のための取り組みが特に重要です。疫学的には、特定地域や集団における発生の多さが示されていますが、これがどのような環境要因によるものかは未だ不明です。
世界中の研究機関が原因究明と治療法開発に力を入れており、この疾患は医学界にとって大きな挑戦であると同時に、医学研究の進展において重要な役割を担っています。将来的には、より効果的な治療法や、疾患の発症メカニズムの解明が期待されています。
シムネスは、医学の進歩とともに、疾患の理解が進むことが期待されます。また、社会的には研究資金の確保や患者支援プログラムの充実が求められています。患者とその家族へのサポートと共に、この疾患に対する継続的な研究は、公衆衛生における重要な課題であり続けます。
文が出力されましたが、語尾や文章にやや機械感が残ります。
残りは自分(医師として)の目で修正をかけます。この作業をすることでコピペや転載ではなくなります。
出力文の修正版
シムネス(全身性多発性悪性新生物症候群)は、現代医学においてもなお解明されていない複雑な疾患である。遺伝子の異常変異が原因であることが知られているが、特定の環境要因がこれらの変異をどのように促進するのかについては、さらなる研究が必要とされている。
全身にわたる多発性悪性腫瘍は画一した治療法が存在せず、現時点での治療法としては、対症療法と実験的な免疫療法に限られている。
しかしながら、これらはあくまで症状の緩和や生存期間の延長を目指すものであり、多くの患者が診断後数年以内に亡くなる。
遺伝性の要素があり、特定の家族歴を持つ患者に対しては、予防的なスクリーニングや早期発見のための取り組みが特に重要である。
疫学的には、特定地域や集団における発生の多さが示されているが、これがどのような環境要因によるものかは未だ解明されていない。
世界中の研究機関が原因究明と治療法開発に力を入れており、この疾患は医学界にとって大きな挑戦であると同時に、医学研究の進展において重要な役割を担っており、将来的には、より効果的な治療法や、疾患の発症メカニズムの解明が期待されている。
シムネスに対しては、医学の進歩とともに、疾患の理解が進むことが期待されており、社会的には研究資金の確保や患者支援プログラムの充実が求められる。
患者とその家族へのサポートと共に、この疾患に対する継続的な研究は、公衆衛生における重要な課題である。
上記は所要時間5分以内での修正後です。
元の情報が少ない(というか無いので)中でなんとか、それなりの文章にはなったのではないでしょうか。
掛かった時間は5分以内です。これを実際に自力で書いていくと文章構成など含め30分くらいはかかるのではないでしょうか?
最後に自分で文章を手直ししているのでコピペやAIを使った!と責められることもかなり少ないはずです。
他にも不明点を尋ねることも可能
ChatGPTの医学知識に関しては、正直レベルは高くないです。
しかし、数学的な内容や文章構成などに関しては、かなりスペックが高いです。
例えば、コロナウイルス抗原検査キットは感度は 92.5%、特異度は 94.4%とされていますが、私は感度・特異度に関してすぐに忘れてしまいます。
そのため
入力文
コロナウイルス抗原検査キットは感度は 92.5%、特異度は 94.4% 上記について医学生でも分かるように具体的に教えて
と尋ねます。
出力文
コロナウイルス抗原検査キットの感度が92.5%、特異度が94.4%であるということは、以下のように解釈できます。
感度 (Sensitivity): 感度とは、実際に病気である人々の中で、検査が正しく陽性と判定する割合です。この場合、コロナウイルスに実際に感染している人のうち92.5%が、抗原検査によって正しく陽性と判定されます。言い換えると、この検査は92.5%の確率で感染者を見つけ出すことができるということです。しかし、7.5%の感染者は検査で見逃される可能性があります(偽陰性)。
特異度 (Specificity): 特異度とは、実際に病気でない人々の中で、検査が正しく陰性と判定する割合です。この場合、コロナウイルスに感染していない人のうち94.4%が、抗原検査で正しく陰性と判定されます。これは、この検査が94.4%の確率で非感染者を正しく識別できることを意味します。しかし、5.6%の非感染者が誤って陽性と判定される可能性があります(偽陽性)。
この2つの値を理解することは、検査の信頼性を評価する上で非常に重要です。感度が高い検査は、感染者を見逃すリスクが低く、特異度が高い検査は、非感染者を誤って感染者と判定するリスクが低いことを意味します。このため、感度と特異度のバランスを考慮して、検査の適用場面を決定する必要があります。
こう返答されます。とても分かりやすくなりましたね。
さらに理解を深めるために
入力文
1000人を母数として具体的に数で示して
と質問します。
出力文
1000人を母数とした場合、感度が92.5%、特異度が94.4%のコロナウイルス抗原検査キットの結果は以下のようになります。
ここでは、実際に30%の人(300人)が感染していると仮定しています。
感染者(300人中):
テスト結果陽性(真陽性): 277人
テスト結果陰性(偽陰性): 23人
非感染者(700人中):
テスト結果陽性(偽陽性): 40人
テスト結果陰性(真陰性): 660人
この表によれば、感染者300人中277人が正しく陽性と判定され、23人が誤って陰性と判定されています。
非感染者700人中では660人が正しく陰性と判定され、40人が誤って陽性と判定されています。
このように、検査の感度と特異度は、検査の信頼性を理解する上で重要な指標です。
感度が高ければ高いほど、実際の感染者を見逃すリスクが低くなります。
一方で、特異度が高いほど、実際には感染していない人を誤って感染者と判定するリスクが低くなります。
ここまで具体的な例に落とし込んでくれるのでとても分かり易くなります。
実際に色々試してみると、医学とChatGPTの相性の良い部分と悪い部分が体感として分かってきます。
活かせるか活かせないかで診療や時間短縮などに大きく関わります。
まとめ
本記事では、症例レポートの迅速な考察作成にChatGPTを活用する方法と、医学分野におけるChatGPTの使用例を紹介しました。
ChatGPTは医学に限らず、多様な知識領域において有用です。
実際に私のサイトの一部記事では、ほぼChatGPTを用いたものもあります。(意外とバレにくいです。)
医学と生成系AIの融合は、今後さらに進展すると予想されます。
以上です!本日もご覧いただきありがとうございました!
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