Amazonプライムデー開催予定、Audible3ヶ月無料体験実施中

【救急要請】よくある軽症者の救急要請とは?不必要な要請?

こんにちは。研修医アッキーです。

本日は「救急要請」についてテーマにしていきます。

救急要請に関してですが、基本的に名前の通り「救急」であるので、命に関わる人・重症度高い人が優先的になります。

田舎の病院では救急車の台数も少なく、山奥までカバーするために病院から遠く離れた所にも分署が設置されています。

そのため一台出動してしまうことで、現地まで更に遠い署の救急車が出動しなければいけなくなり、本当に優先度が高い人を迅速に運ぶことが困難になってしまいます。

こういう現状がありますが、現実には軽症群の方の救急車要請がかなり多いです。

しかしながら実際に患者側からすれば心配・辛いため救急要請していることも多く、無下にできない症例が多くあります。

今回はそんな症例の一部について紹介します。

目次

Case1 子供が頭打った!

朝8時頃の救急要請(この時間はそろそろ開業医が開く時間です)でした。

子供が頭打ったとのことで救急要請されたようで、病院に一報が入って一応意識状態とかを確認しましたが異常なし。看護師さんが「救急車以外の方法で来れないか」、「もしくは開業医に行けないか?」を救急隊に聞いてもらいましたが、母が「心配だから救急車で行きたい」、とのこと。

希望があれば断ることはできず、結局病院まで救急車できました。

勿論、頭部の傷以外は異常なしでした。

緊急性に乏しければ、自家用車などで受診してもらうのが良いかと思った一例でした。

Case2 なんかお腹に違和感

この方は食事を食べてからお腹に違和感があったようで30分経過しましたが、治らないので念のため救急要請したそうです。

来た時点で顔はケロっとしており、お腹はやはり違和感程度と・・・。

各種検査(CTまで)行いましたが異常なし。

話を聞くと今回は食べ過ぎたとのことでした・・・。

腹痛に関しては、痛みの感じ方は様々で心筋梗塞とかも隠れている可能性があるため一概に症状だけを見て判断はできないので責めることはできませんが、なんとなく違和感を感じた症例でした。

Case3 蜂に刺された!

あと割とよくあるのが、蜂に刺されたから救急車要請するパターン。

救急要請を受けた時の病院側の雰囲気としては、救急隊の「バイタル安定していて、症状ありません。歩けます。」という話を聞くと、「それは救急車なのですか?」「開業医ではダメですか?」という疑問符がついてしまいます。

当院は断ることができないので(地域唯一の病院なので)要請を受けますが、基本的にアナフィラキシー症状なければあまりやることはありません。

一般の方にとっては「蜂に刺された=死ぬかも」という気持ちは分かりますが、医療従事者との思いの乖離がある症例でした。

蜂に刺されて本当に重症な時には蕁麻疹、呼吸困難、消化器症状、循環器症状などなど多彩な症状出ます。

そしてハチ刺されのほとんどの人は自家用車で救急外来を受診してくれます。

Case4 過換気症候群

よくある救急要請の1つとして過換気症候群があります。

これは若い女性が急に呼吸回数が多くなってしまうものです。

もともと、精神科に通院している女性で過去に何回も繰り返していたり運動会で頑張りすぎていたり、とエピソードにそれらしさがあることが多いです。

呼吸が苦しくなる重篤な病気は沢山ありますが、若い女性で頻呼吸の救急要請の場合、まず過換気症候群が思い当たります

病院についてやることはバイタル(血圧、血中酸素飽和度)、心電図、血液検査などです。

以前、当院で過換気症候群の既往歴あり同様のエピソードで運ばれたけど実は肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)であった症例もあるため油断はできません。

ほぼ何もなく終わるけど、ごく稀にたまに怖い疾患も隠れていることもある、といった疾患です。

Case5 いつもの尿管結石

この方は尿管結石を繰り返している方で「あぁ、いつもの痛みだ。」と思ったそうです。

基本的に痛みが我慢できる程度であれば自家用車などで受診されることがベストなのですが、この方は救急呼んだ方が待ち時間が少なくて済むと思ったようで救急要請したそうです。

確かに、救急外来受診の方法は「救急車」「受付(いわゆるwalk in)」の2パターンありますが、優先度はどうしても救急車に寄ってしまいます。

長い時には2時間以上待つこともザラにある救急外来であることを分かっているからあえて救急車を呼んだそうです。

ディズニーランドでいうファストパス的なイメージでしょうか?

まとめ

今まで経験した一部の症例を挙げてみましたが、ごく稀に「嘘でしょ!」と思う救急要請もちらほらあります。

ですが、明らかにタクシー代わり!という症例でも、本当に何かあった際に責任を負うのは救急隊(実際にそのような症例でニュースになっていることもあり)なので運ぶしかないそうです。

確かに、例えば

10時:何らかの症状でタクシー代わりの救急要請して救急隊に断られる。
11時:偶然に、本当に脳卒中を起こして救急搬送される。

このような症例があった場合、偶発的に11時に何かを起こした場合でも、10時に救急車を断ったからだ。と言われると無罪を証明することは難しくなってしまいます。

限られた台数の救急車をうまく利用するのはなかなか難しいなあと思ったこの頃でした。

以上となります。

本日もご覧頂きありがとうございました!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次